HAROPA PORT‐ル・アーヴル港 港湾概要
組織
HAROPA PORT
ル・アーヴル港を含むセーヌ川流域3港湾(ル・アーヴル港、ルーアン港、パリ港)は、産業、物流、観光分野において欧州規模で統一的な港湾サービスを提供することを目的に、2012年に合同事業体HAROPAを設立しました。統一ブランドHAROPAの下、3港湾が共同して戦略、開発、マーケティング、広報等を行い、ル・アーヴル港も対外的には "HAROPA-ル・アーヴル港" の名称で活動を行ってきました。
一方、フランス政府は、HAROPA3港を2021年6月1日付で、統合(一港化)し、“HAROPA PORT”が誕生しました。HAROPA PORTは本部をル・アーヴルに構えており、中央政府・地方自治体・公人等からなる監査役会、監査役会の決定を執行する機関(Orientation council)で構成されています。一方、ル・アーヴル港、ルーアン港、パリ港には各管理団体が残され、それぞれに地域開発委員会が設置されています。
概要
ル・アーヴル港は、フランス北部、英仏海峡に面したセーヌ川河口に東西27kmに渡って拡がる、総取扱貨物量フランス第2位、コンテナ取扱量フランス最大の港湾で、2017年には開港500周年を迎えました。
1517年に、通商促進とセーヌ川河口の防衛のため、当時は漁村であったこの地にフランソワ1世国王によって建設されたのがル・アーヴル港の起源であり、捕鯨、タラ漁などの基地として発展し、19世紀以降は貿易港として港湾整備が進められました。第二次世界大戦でほぼ全域が破壊されましたが、戦後再建され、60年代以降は商業港としてだけでなく、製油、造船、機械、自動車、食品などの産業が立地する工業港としての役割も担っています。
外海に面しているため、大型コンテナ船の直接寄港が可能であり、極東とフランス間の貨物の約8割を取扱っています。主な取扱貨物は、ワインや蒸留酒などの酒類(世界1位)や、完成自動車(フランス1位)です。また、北欧州港湾の中ではアジアに最も近いという地理的優位性を持っています。
HAROPAを構成する3港(ル・アーヴル港、ルーアン港、パリ港)間ではセーヌ川を利用したはしけ輸送が行われているほか、港から高速道路網に直結可能な道路交通網や、コンテナターミナル内に整備された引き込み線を起点に内陸部の50か所以上と結ばれている鉄道網など、様々な輸送モードに対応しています。
2000年に、総額1650億円を投じる国家プロジェクト「ポート2000」を策定し、コンテナターミナルの拡張(4,200m・12バース)を進めており、整備資金の負担割合は国1/3、港1/3、企業1/3となっています。新ターミナルは、北欧州ではロッテルダム港に続き、潮汐に関係なく20,000TEUクラスのコンテナ船が寄港でき、既に10バース(東からCMACGM(4バース)、マースク(2バース)、MSC(4バース)傘下のターミナル運営会社が使用中)が稼働しています。さらに、現在岸壁を700m延伸し、面積42ha、2バースを整備中で、2024年に新ターミナルの開業を予定しています。また、フランス中央政府は統合した3港に対し、環境や資源の共用に配慮した港湾施設の改修・開発を目的として、2021年から2027年の間に総額14億5000万ユーロの資金援助を行う予定です。

将来計画
現在、ル・アーヴル港で利用する通関ITシステムはマイクロソフトとの共同開発で、荷主や通関業者、ターミナルなど関連する事業者を接続しているが、将来的に同一のシステムをシャルル・ド・ゴール空港に導入し、港と空港の通関を同一手続きで進めることを計画しています。また、HAROPA PORTでは、強固なサイバーセキュリティを構築し、データを保護することを目的としたCYMsPATIというプラットフォームの創設に取り組んでいます。
2022年7月に、主要コンテナターミナルTNMSCの運営会社であるTiL(MSC系ターミナル会社)は、同ターミナルにおける機能強化に約7億ユーロを投資することを発表しました。2028年までに電動式ガントリークレーンを増設し、クレーンを計20基体制へと倍増させるほか、ターミナルの蔵置能力を約3倍に増強する予定です。2万4000TEU型コンテナ船等の超大型コンテナ船への効率的な対応、停泊中の船舶に対する陸上電力供給のほか、バージや鉄道との接続性向上にも投資を行っています。
統計
2023年統計(HAROPA PORT3港)
項目 |
合計 |
---|---|
総取扱貨物量 |
81,300,000トン |
コンテナ貨物 |
2,600,000TEU |
リキッド貨物 |
42,100,000トン |
ドライ貨物 |
12,700,000トン |
コンテナ合計
名古屋港との交易状況(2023年)
- 総取扱貨物量
- 124,366トン
名古屋からル・アーヴル(単位:F/T(フレートトン))
品種 |
トン数 |
シェア |
---|---|---|
自動車部品 |
29,435 |
58.2 |
文具・運動用品類 |
3,020 |
6.0 |
産業機械 |
2,869 |
5.7 |
事務用機器 |
2,048 |
4.1 |
非鉄金属 |
2,035 |
4.0 |
その他 |
11,166 |
22.1 |
合計 |
50,573 |
100.0 |
コンテナ合計:50,487トン
(個数)2,467 TEU
ル・アーヴルから名古屋(単位:F/T(フレートトン))
品種 |
トン数 |
シェア |
---|---|---|
輸送用容器 |
17,845 |
24.2 |
その他食料工業品 |
8,597 |
11.7 |
その他石油製品 |
6,530 |
8.8 |
その他化学工業品 |
4,594 |
6.2 |
飲料 |
3,930 |
5.3 |
その他 |
32,297 |
43.8 |
合計 |
73,793 |
100.0 |
コンテナ合計:73,793トン
(個数)6,598 TEU
寄港状況(2022年7月現在)
サービス |
運航事業者 |
寄港回数 |
ターミナルオペレーター (着岸岸壁) |
---|---|---|---|
FP1 |
ONE *HAPAG-LLOYD *YML *HMM *CMA CGM *COSCO *EVERGREEN MARINE CORP. *OOCL |
週2回 (水曜日) (金曜日) |
旭運輸 伊勢湾海運 上組 名港海運 (TCB) |
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このページに関するお問い合わせ
港営部 みなと振興課 国際渉外担当
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